一昨日、隣のアパートに住む若者が労災事故で亡くなった。

父親の運転する重機とトラックに挟まれると言う痛ましい事故だったようだ。

亡くなった息子は35歳だと言う。ご冥福を祈る。

東日本大震災の復興関連工事で関西からやって来て、住宅などの建物解体作業に従事していたと言う。

カミさんの実家が所有するアパートを事務所代わりにしてここから現場に出かけていたのだ。

吾輩とは全然面識がなかったが、トラックを我が家の車庫前に2台も路上駐車され出入りに支障が出た時、たまたま文句を言った相手が実は亡くなった若者だった。その時は素直に対応してくれた事で好感を持っていたのだが・・・・。

長年に亘って大規模建設現場の労働安全衛生業務を担当していた吾輩としては、地元の業者や小規模工事業者が作業しているのを見ると、「こんなんでよく事故が起きないななぁ」といつも危惧している。

この事故の詳しい事は分からないが、多分、労働安全衛生法違反を起因とするのは間違いないと思う。

重機の旋回範囲内に立ち入らない』のはいろはのいであるが、それだけ注意させようとしても人間の行動学上予防は不可能なのだ。

だから、作業員が不安全行動をしても事故につながらないよう重機にセンサーを付けるとか重機誘導員を配置するとかの措置が法で求められているのだが・・・・・。

工事費が安い!、作業員の労務費が高い!、人が居ない!など、仕事はいっぱいあっても中々利益にならないので、経費が掛かる安全設備や安全措置を軽視すると結果的に大きな代償を支払う事になるのだ。

重機に乗っていた父親の気持ちを思うとホントに心痛むが、作業の安全についてもう一度初心に戻って考えて欲しいと願う。他人事ながら・・・・・。