初めて県立こども病院に行った。

孫が大病したりしなければ行く機会もないと思っていたが、娘の旦那が骨髄提供ドナーとして手術を受ける事になったので付き添いとして行った。

県立こども病院が出来て何年なるか不明だが、最新の設備が完備されたすべて子供の為に出来ている感じがした。医師や看護士の方々のほとんどが白衣ではなくアロハシャツみたいな私的な服装で勤務していたのも印象的だった。白衣を見ただけで泣き出す子供が居ることを考えると、そんな気配りに納得する吾輩である。

娘の旦那は日頃から骨髄提供のドナーになる意思を示していたが、最近の献血時の検査で移植希望者とHLA型が一致したのだと言う。HLA型は白血球の血液型(赤血球はABO式)で、この血液型が一致しないと拒絶反応が起こるようだ。詳しい事はよく分からないが、GVHD(移植反対宿主病)と言うらしい。

ドナーとしてこの血液型が一致する確率は、同父母の兄弟姉妹間で25%、非血縁者間では数百〜数万分の一だと言われているので、「宝くじ並みの確率だなぁ〜」と彼の運の良さ!?に感嘆したが、まぁこれも運命のいたずらなんだろうな。

昨日の手術のあと、医師から「とても良い骨髄が取れました。今晩か明日には移植できます。」と聞かされた。病院が病院だけに、多分小さな子供に移植されると想像したが、骨髄移植すると血液型もDNAもドナーと同じものに変わる事を考えると、娘婿の分身が出来るようで少し複雑な気がした。

数日前に採取した自分の血液(800ml)を戻す輸血をしている最中に病院を離れたが、今回入院した4日間を含め血液採取、検査などに掛かった10日間の休職は全てボランティアなので有給で処理すると言う。

まぁ勤務している会社の理解が無いと、なかなかボランティアだけで片付けられない思いはあるが、偶然一致した血液で一人の子供を助ける為に奮闘している彼をみていると、「さすが娘の旦那、天晴れ!」と賛辞を贈りたくなる。